新NISAは「円安・円高」でどう変わる?——為替変動が積立投資に与える影響と考え方

オルカン・S&P500など外国資産に投資する新NISAは為替の影響を受けます。円安・円高が基準価額に与える仕組みと、為替を気にしすぎずに積立を続けるための考え方を解説します。

新NISAの人気商品はなぜ為替の影響を受けるのか

新NISAで人気の高い「オルカン(全世界株式)」や「S&P500」といった投資信託は、米国株を中心に外国の資産に投資しています。これらの投資信託を円で購入していても、実際の投資先はドルなど外貨建ての資産です。そのため、投資信託の基準価額は「外国株式そのものの値動き」に加えて「円と外貨の為替レートの変動」という2つの要因の影響を受けます。

円安・円高が基準価額に与える仕組み

  • 円安になると:同じ外貨建て資産でも、円に換算した価値が上がるため、基準価額の上昇要因になる
  • 円高になると:円に換算した価値が下がるため、外国株式自体が値上がりしていても、基準価額の上昇が相殺されたり、下落することがある

つまり「米国株価指数が上がっているのに、自分の資産評価額はあまり増えていない」という状況は、その期間に円高が進んでいたことが原因である可能性があります。逆に、株価があまり動いていなくても円安が進めば、資産評価額が増えて見えることもあります。

為替変動を過度に気にする必要がない理由

短期的には為替レートの変動が資産評価額を大きく左右しますが、新NISAは本来、数十年単位の長期積立を前提とした制度です。為替レートは短期的に上下を繰り返しながらも、長期の資産形成においては「世界経済の成長」という投資本来のリターン要因の方が影響が大きいとされています。また、積立投資(ドルコスト平均法)を継続していれば、円安のタイミングでも円高のタイミングでも一定額を淡々と買い付けることになり、購入時点の為替レートの高低が平均化されていきます。

為替ヘッジあり・なしという選択肢

投資信託の中には「為替ヘッジあり」という、為替変動の影響を抑える仕組みを持つ商品も存在します。ヘッジありは為替の影響を軽減できる一方、ヘッジのためのコストがかかり、長期的な信託報酬が高くなる傾向があります。新NISAでオルカンやS&P500に長期積立する場合、多くの初心者向けファンドは「為替ヘッジなし」が主流です。短期的な為替変動を気にするよりも、低コストで長期保有を続けられる商品を選ぶ考え方が一般的とされています。

実際に評価額を見て慌てないための心構え

2020年代の前半には歴史的な円安が進み、外国株式に投資していた人の資産評価額は為替の影響だけでも大きく押し上げられました。今後、逆に円高方向へ大きく振れる局面が来れば、外国株式自体の値上がりがあっても、円換算の評価額は一時的に伸び悩む、あるいは目減りして見えることも十分にあり得ます。これは投資の失敗ではなく、外貨建て資産に投資している以上、避けられない仕組み上の変動です。評価額が一時的に落ち込んだからといって積立を中断してしまうと、その後の回復局面で買い増しできていたはずの安いタイミングを逃すことにもなりかねません。

円安・円高のニュースに振り回されないために

為替のニュースが大きく報じられるたびに、資産評価額の増減が気になってしまうのは自然なことです。しかし、為替を理由に積立を止めたり金額を頻繁に変更したりすると、かえって長期積立のメリットである「時間分散の効果」を損なう可能性があります。基本的には当初決めた積立額を淡々と継続し、為替や相場のニュースは参考程度に留めておく姿勢が、新NISAを活用した資産形成では推奨されています。

まとめ

新NISAで人気の高い外国株式インデックスファンドは、株価だけでなく為替レートの影響も受けます。円安は評価額の押し上げ要因、円高は押し下げ要因になりますが、長期の積立投資ではその影響は平均化されていく性質のものです。日々の為替ニュースに一喜一憂せず、決めた積立額を継続することが、新NISAでの資産形成を成功させる基本姿勢といえるでしょう。

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