新NISA口座は相続するとどうなる?——非課税のまま引き継げない仕組みと相続時の手続き
新NISA口座の名義人が亡くなった場合、非課税のまま相続人に引き継ぐことはできません。相続時の取り扱いと必要な手続きの流れを解説します。
NISA口座の非課税メリットは「本人限り」
新NISAの非課税投資枠は、口座を開設した本人が生きている間だけ有効な制度です。口座名義人が亡くなった場合、保有している投資信託や株式は相続人にそのまま非課税で引き継がれるわけではなく、いったん相続手続きの中で「特定口座(課税口座)」として処理されることになります。この点は誤解されやすく、「非課税のまま配偶者や子どもの口座に移せる」と思い込んでいると、相続の実務でつまずく原因になります。
相続発生後の基本的な流れ
- 証券会社に口座名義人の死亡を連絡し、相続手続きの案内を受け取る
- 相続人が自身の証券口座(同じ証券会社に限られることが多い)を用意する
- 被相続人のNISA口座内の資産は、死亡日の時価で相続人の「特定口座」または「一般口座」に移管される
- 移管後に売却した場合、移管時の時価を取得価額として譲渡益が計算され、課税対象となる
つまり、亡くなった時点までにNISA口座内で得ていた値上がり益は非課税のまま確定しますが、移管後にその資産をさらに運用して得られる利益には、通常どおり約20%の税金がかかるようになります。
相続人自身のNISA非課税枠には移せない
「相続した資産を、自分の新NISA口座にそのまま移す」ことはできません。非課税枠は口座開設者本人の投資枠であり、相続によって他人の非課税枠に資産を移動させる仕組みは用意されていないためです。相続した資産を非課税で運用したい場合は、いったん特定口座で受け取った上で、相続人自身の新NISA口座の非課税枠(年間投資上限の範囲内)を使って改めて買い付ける必要があります。
相続税の課税対象になる点にも注意
NISA口座内の資産であっても、相続税の計算上は他の金融資産と同様に相続財産に含まれます。「非課税制度だから相続税もかからない」というわけではなく、あくまで所得税・住民税(譲渡益や配当への課税)が非課税になる制度である点を混同しないようにしましょう。相続財産全体の評価額によっては、相続税の申告・納税が必要になる場合があります。
生前にできる備え
NISA口座は相続に不向きな面がある一方で、生前であれば非課税のメリットを最大限活かせる制度です。家族に資産を残すことを意識する場合は、NISA口座の資産状況や証券会社の連絡先を家族と共有しておく、遺言やエンディングノートに保有資産の一覧を残しておくといった準備が、相続時の手続きをスムーズにする助けになります。
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